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専攻科の教育目標

専攻科

 専攻科には「機械・制御システム工学専攻」と「電子・情報システム工学専攻」の2つの専攻が設置されています。その教育目標は、「システム思考のできる機械・制御技術者、電気・電子・情報技術者の養成」です。


育成する人材像と専攻科の特徴

 専攻科は、本科5年間の一貫教育の成果を活かし、さらに高度な専門知識と研究開発能力を身につけた創造的・実践的技術者の養成を目標としています。
 機械・制御システム工学専攻では、総合理工学科の先進科学系と機械システム系を基礎系とする専攻コースとして、機械・制御の専門技術分野や数学・物理分野、化学・バイオの技術分野についてさらに深く学び、要素技術に関する深い知識を持つとともに、それらを総合的にバランスよく応用したシステムの設計、計画や運用ができる能力を持つ創造的・実践的技術者の養成を目指しています。機械・制御システム工学専攻の特徴は、機械・制御技術や応用科学の技術を深く学習することにより、現代の社会基盤を支える高度な機械やシステムにかかわる実践的な「モノつくり」技術力を培うことです。
 電子・情報システム工学専攻では、総合理工学科の電気電子システム系と情報システム系を基礎系とする専攻コースとして、電気工学、電子工学、情報工学についてさらに深く学び、電磁気、電気・電子回路や、コンピュータ、プログラミングなど専門技術を深化するとともに、それらを総合したシステムの設計、計画や運用ができる能力を持つ創造的・実践的技術者の養成を目指しています。電子・情報システム工学専攻の特徴は、機械やシステムのハード技術と、ハードを最適に運用するためのソフト技術の両方を学習することにより、ソフトに強いハード技術者、ハードに強いソフト技術者として実践する力を培うことです。
 さらに高度な専門知識や能力を身につけようとする学生については、両専攻とも大学院への進学を勧めるとともにその支援をしています。そのために両専攻ともより広い分野の専門科目を学習します。講義による授業のみでなく、特別実験や専攻科2年間にわたり指導教員のもとで行う特別研究を通して、専門知識の深化とともに、問題解決能力やデザイン能力、研究能力を身につけることが求められます。同時に、地域や社会の大きい期待に応えられる技術者として、技術者倫理の理解と、地球的視点の涵養とともに、豊かなコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を培うことが求められます。

教育課程

 自律的に専攻科開講科目を選択することで確かな基礎科学を基盤とした高い専門性と分野横断的な融合力を備えます。
 専攻科の教育課程では、大きく分けると一般・専門共通科目と専門科目を修得します。

(1)【一般・専門共通科目】では、実践英語・国際文化論・哲学・社会科学などの一般科目と、数学・物理・生物・環境・実験法などの基礎科学と情報処理技術の各分野、さらに工学倫理や先端技術特別講義の科目について学習します。
(2)【専門科目】としては、講義科目として機械・制御システム工学専攻では、材料と構造、運動と振動、エネルギーと流れ、情報と計測・制御、設計と生産・管理、機械とシステムなどの専門技術分野および数学・物理分野、化学・バイオの技術分野を学習します。電子・情報システム工学専攻では、電気・電子と情報・制御に関する各分野を学習します。
 実験科目については、両専攻とも「特別実験(4単位)」、および2年間にわたり実施する「特別研究Ⅰ、Ⅱ(各8単位)」を通して、技術者としての基本的な能力を養成します。
(3)「特別実験」は、各専攻における異なる出身系に関する実験も行うことにより、幅広い技術を実践的に修得します。
(4)「特別研究」は専攻科の中核をなす科目で、文献調査・解析・実験など自ら計画を立案し、指導教員の助言を受けながら主体的に研究を進めます。研究の過程で、他の大学・企業などとの交流を図ることも含めて、研究のプロセスを身につけるとともに、社会に評価される結果を出すよう心掛けることが重要です。この特別研究の一環として、特別講義の受講を通して技術者倫理について学習すること、夏季休業期間などを利用して校外実習を行うことと、専攻科課程の適当な時期に、研究結果を関連する学協会などで外部発表することも義務付けられています。
 また、実社会の技術と遊離しないように、知識を深め、さらにコミュニケーション能力の向上や技術者倫理の理解を深めることを目的に設けられた選択科目である「長期インターンシップ(2単位)」を校外実習の代わりに選択することもできます。
 これらの教育課程を通じて次の学習目標を達成しなくてはなりません。

学習目標

(1) 数学、物理を中心とした自然科学系の科目に関する知識を深め、人文・社会科学に関する知見を広めて、機械・制御システム工学および電子・情報システム工学に関する基礎学力として応用できる。
(2) 次の専門技術分野の知識を修得し、機械やシステムの設計・製作・運用に活用できる。
 機械・制御システム工学専攻:材料と構造、運動と振動、エネルギーと流れ、情報と計測・制御、設計と生産・管理、機械とシステムなどの専門技術分野および数学・物理分野、化学・バイオの技術分野
 電子・情報システム工学専攻:電気・電子、情報・制御に関する専門技術分野
(3) 特別実験の実践的学習を通じて、専攻分野に関連する知識理解を深化させると同時に、実験を遂行し、データを解析・考察できる。
(4) 特別研究を自主的、積極的に探究・推進することにより、技術者として必須の問題発見能力と課題解決能力、すなわち創造的な成果を生み出すデザイン能力、研究能力を身につけるとともに、研究結果を学会などで発表し、他の研究者や技術者との交流を通じて、プレゼンテーションができ、コミュニケーションができる。
 さらに、技術者倫理に関する特別講義の受講や工学倫理の科目での学習を通じて、広く技術者倫理を理解できる。校外実習・学協会への参加や先端技術特別講義の科目での学習を通じて、地域社会との連携を図るとともに、地球的視点からものを見ることの大切さを理解できる。