本校では、日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education: JABEE)の基準に対応した技術者教育プログラムとして、主に本科4年次から専攻科2年次までの教育課程の学習・教育に関して、専攻科の専攻に対応した「機械・制御システム工学」および「電子・情報システム工学」教育プログラムを設定し、社会の要求水準を満たした教育を行っています。
JABEEより認定された技術者教育プログラムを実践することにより、次のような技術者の育成を目指します。
養成すべき技術者像:
高度な専門知識と研究開発能力を身につけた創造的で実践的な技術者
- プログラム履修者
本校の技術者教育プログラムは、主に本科4年次から専攻科2年次までの4年間の課程としています。そして専攻科に入学した者を「機械・制御システム工学」または「電子・情報システム工学」教育プログラムの履修者とします。入学試験を経て一定水準以上の知識と能力を有していることから、入学者全員が教育プログラムの履修者となります。また専攻科入学試験における面接の際に教育プログラムを修める意志を確認します。
本科を卒業後に大学への編入学を目指している学生は、編入先の大学での技術者教育プログラムの履修者となる可能性が大きくなります。また卒業後に就職を希望する学生は、社会人を経て専攻科や大学へ入学または編入学して技術者教育プログラムの履修者となる可能性があります。これらのことから、本科4・5年次の学生は将来におけるJABEE対応の教育プログラムの履修対象者であり、専攻科進学予定者を含めて学習・教育は同一に行っています。 - 学習・教育到達目標とカリキュラムの構成
本校の「理念・教育目標」のもとに「機械・制御システム工学」および「電子・情報システム工学」教育プログラムでは、以下に示す具体的な学習・教育到達目標を掲げています。
- (A)技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することができる
- (B)専攻分野に関連する知識理解を深化させ、それらを応用することができる
- (C)自主的・継続的に実験を遂行し、データを解析・考察できる
- (D)課題解決能力、研究能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力を身に付けそれらを発揮することができる
- (E)技術者倫理を理解することができる
- (F)地球的視点から多面的に物事を考えることができ、地域との連携による総合能力の展開ができる
カリキュラムは教育プログラム修了時に学習・教育到達目標が達成できるように構築されています。
個々の学習・教育到達目標の達成と主として係わる本科4年次から専攻科2年次までの科目については、専攻科担当の教員に問い合わせてください。
学習・教育到達目標の詳細な内容
- (a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
- (b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者が社会に対する貢献と責任に関する理解
- (c) 数学、自然科学及び情報技術に関する知識とそれらを応用する能力
- (d) 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力(分野別要件)
- (e) 種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
- (f) 論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
- (g) 自主的、継続的に学習できる能力
- (h) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
- (i) チームで仕事をするための能力
- 教育プログラムの履修
プログラム履修者は、「機械・制御システム工学」または「電子・情報システム工学」教育プログラムの修了要件を理解して、履修を進める必要があります。
各科目の単位認定は、教育プログラムの学習・教育到達目標を十分に考慮して準備されたシラバスの「到達目標」への到達度を「成績評価方法」に基づいて評価することで判定されます。教育プログラムの単位認定の目安は60点とします。他の教育機関(高専)での修得単位については、以下の結果をもとに専攻科運営委員会で認定の判定を行います。
専攻科入学以前の修得単位のうち、60点以上で合格の科目は原則的には教育プログラムの単位として認める方針です。
専攻科入学以前の学習で、学習・教育到達目標(A)~(F)の達成に問題があると専攻科運営委員会が判断した場合は、学習・教育到達目標ごとに総合基礎試験を課して確認します。 - 教育プログラムの修了要件
「機械・制御システム工学」又は「電子・情報システム工学」教育プログラムの修了者となるには、以下に掲げる要件をすべて満たす必要があります。
- (1)専攻科修了者
- (2)学位(学士)取得者
- (3)学習・教育到達目標を総合的に達成していること。そのために、本科及び専攻科の科目について、それぞれ以下の条件を満たすと共に、表2「学習・教育到達目標と評価方法および評価基準」に従って評価し、合格すること。
- ① 本科の科目:
主体的に本校の学習・教育到達目標(A)~(F)に関連する科目(表2、◎印)から必要単位数以上修得すること、又は学習・教育到達目標ごとの総合基礎試験に合格すること。
- ② 専攻科の科目:
「機械・制御システム工学」または「電子・情報システム工学」教育プログラムでは、主体的に本校の学習・教育到達目標(A)~(F)に関連する科目(表2、◎印)から必要単位数以上修得すること。
- ① 本科の科目:
JABEEでは、日本技術者教育認定基準として、プログラム修了生が身につける知識・能力を、次の(a)から(i)の9項目に設定しています。このうち、(d)の基準は各プログラムの個別基準です。
「機械・制御システム工学」プログラムは「機械及び関連の工学分野」、「電子・情報システム工学」プログラムは「電気電子及び関連の工学分野」にそれぞれ基づいています。
教育プログラムの学習・教育到達目標(A)~(F)は、JABEE基準の(a)から(i)ならびに関連分野の分野別要件で要求される知識・能力に対応して適切に設定されています。JABEE基準で示される次の表1に各プログラムの対応を示します。
機械・制御システム工学(表1) 電子・情報システム工学(表1)
機械・制御システム工学(表2) 機械・制御システム工学(系統図) 電子・情報システム工学(表2) 電子・情報システム工学(系統図)