数学モデリング教材(授業中に簡単に行える教材開発)
本ページでは,高専の数学の授業を活き活きとしたものに変えるための教材を提示します。
(実際に授業で行ってみて,学生達から高い評価を得たため,本ページを作成するにいたりました。)
数学モデリング思考の能力をつけるための研究方法の議論と,過去の様々な教育研究を統合し
学習者のモチベーションが高まる具体的な教材を提示します.
そしてそれをもとに「教えるから問いかける授業」への転換を提案します.
つまり,学習者にとって「問いかけられる体験的問題」を提示し,
それをもとにした学び合い重視の学習法を推奨します.
(補足1)数学的モデリングというと,これを学生に指導することは,非常に困難なイメージを持たれる方も多いと思います.
そしてそれは事実であろうとも思います.
しかし,その困難さはどこからくるのかということを考えた時,そのような思考訓練ができていないからだと考えます.
その意味で,本研究の趣旨は,数学的モデリングを行うための思考法を反復学習で獲得できないかというこ
とを試みるところにあります.そのためには,反復学習教材の開発が必要不可欠なのです.
教材開発では,主に次の2つのステップの反復学習を意識します.
(ステップ1)
与えられた現象のデータを自分なりに解釈し,それを数式で表現する訓練.
(ステップ2)
得られた数式と現象を再検討する訓練.
(補足2)2012年に開催されたICME12(ソウル)と日本数学教育学会年会(久留米)に参加して,本ページで行なおうとしている
教材研究は,次の2種類に分類しそれぞれの教材を開発すればよいのではないかと考えるようになりました.
(1)数学的モデリングのための短時間(5〜10分間)思考訓練
(2)学生間のディスカッションを通しての思考訓練(50分程度)
○ 初等関数に関する数学モデリング教材(実践編)
授業の流れ
1.学生全員が,関数電卓を用意する。
2.ギブアップタイムを設定する(例えば40分たったらギブアップ宣言をする。)
3.4人のグループを作り,リーダーを決める。
4.グラフにデータをプロットさせ,近似曲線を描かせる。
5.近似曲線の関数を推測させる。(リーダーを中心にしたグループ討論,精度指定は重要)
6.近似曲線の関数を見つけられたグループは,他のグループの応援にまわる。
1回目の教材 (第1回目後の学生からの感想)(2次関数編1)
2回目の教材
(第2回目後の学生からの感想)(2次関数編2)
3回目の教材 (第3回目後の学生からの感想)(指数関数編1)
4回目の教材 (第4回目後の学生からの感想)(指数関数編2)
○ その他の参考教材
数学的モデリングの基礎を授業で実践するための参考教材
2.高専版CALCULUS
アメリカの教科書CALCULUSのような基礎・応用・文化・教養など,
多面的な題材を盛り込んだ微積分の教育書を作成します.