エスペラントの初歩
ABC de Esperanto
ここではエスペラントの基礎の基礎を解説してあります。文法などの全体については読書案内の「学習書」に挙げてある「エクスプレス・エスペラント」などで容易に知ることができます。
エスペラントの字母
大文字
小文字
エスペラントは上のような文字をもちいて表記されます。c, g, j, h, s, u のうえに字上符「^」のついた文字を用いる代わりに,イングランド語などで使われるq, w, x, y は使いません。
発音
母音は日本語と同じa i u e o,アイウエオの5つで,子音と組み合わせてほぼ日本語のローマ字と同じように読むことができます。
ba, bi, bu, be, bo--バ, ビ, ブ, ベ, ボ
ha, hi, hu, he, ho--ハ,ヒ, フ, ヘ, ホ
ka, ki, ku, ke, ko--カ,キ, ク, ケ, コ
pa, pi, pu, pe, po--パ,ピ, プ, ペ, ポ
ただし,次のものはローマ字読みと異なります。
ca, ci, cu, ce, co--ツァ,ツィ,ツ,ツェ,ツォ
ja, ju, jo --ヤ,ユ,ヨ
字上符「^」のついた文字は,
c^a, c^i, c^u, c^e, c^o --チャ,チ,チュ,チェ,チョ
j^a, j^i, j^u, j^e, j^o --ジャ,ジ,ジュ,ジェ,ジョ
g^a, g^i, g^u, g^e, g^o --ヂャ,ヂ,ヂュ,ヂェ,ヂョ
s^a, s^i, s^u, s^e, s^o --シャ,シ,シュ,シェ,ショ
(sa, si, su, se, so はサ,スィ,ス,セ,ソ)
u に字上符がついた文字はワ行の発音になります。これらの発音に例外はなく,書いてあるとおりに発音します。また後ろから2番目の母音に強勢がおかれます。
例えば,universitato(大学)=ウニヴェルスィタート,buso(バス)=ブーソ,filo(息子)=フィーロ,g^ardenisto(庭師)=ヂャルデニスト,となります。
品詞語尾
エスペラントでは語尾をみれば品詞などがわかるようになっています。たとえば,-oで終わるのは名詞,-aで終わるのは形容詞,-eで終わるのは副詞,-iで終わるのは動詞の不定形です。まとめて示すと,
- -o 名詞 (letero 手紙,mano 手,arbo 木)
- -a 形容詞 (bona よい,bela 美しい,nigra 黒い)
- -e 副詞 (bone うまく,bele 美しく,nigre 黒く)
- -i 動詞の不定形 (kuri 走る,skribi 書く,lavi 洗う)
- -u 意志法(命令法)(kuru 走れ,skribu 書け,lavu 洗え)
- -as 現在形 (kuras 走る,skribas 書く,lavas 洗う)
- -is 過去形 (kuris 走った,skribis 書いた,lavis 洗った)
- -os 未来形 (kuros 走るだろう,skribos 書くだろう,lavos 洗うだろう)
- -j 複数 (leteroj ,manoj,arboj)
- -n 対格(目的格)(leteron 手紙を,manon 手を,arbojn 木々を)
上の語尾を用いて単語の品詞を変えることができます。
fino -- fina -- fine -- fini
終わり 終わりの 終わりに 終える
上の単語で次のような文章ができます。
Mi skribas leteron. Vi skribis leterojn.
私は 手紙を 書く。 あなたは手紙(複数)を書いた。
人称代名詞は以下の通りです。
-
人称代名詞
| 単数 | 複数 |
1人称 | mi | ni |
2人称 | vi | vi |
3人称 | li 彼 s^i 彼女 g^i それ | ili 彼ら それら |
-
Ni amas la hundon.
私達はその犬が大好きである。
Ili vidis min.
彼らは私を見た。
冠詞は定冠詞laのみで,不定冠詞はありません。
人称代名詞を形容詞-aの形にすると所有代名詞になります。
-
ilia domo 彼らの家
via amiko あなた(達)の友人
miaj belaj floroj 私の美しい花(複数)
Mi donis miajn belajn florojn.
私は 私の 美しい花を 与えた。
疑問文・否定文
疑問文は肯定文の頭にチュ(Cに^のついた字母第4字+ u)を付けるだけです。否定文では否定したい語の前にneを置きます。
-
C^u li parolas Esperanton?
彼はエスペラントを話しますか。
Ili ne parolas Esperanton.
彼らはエスペラントを話さない。
「はい」はJes「いいえ」はNeです。
接頭辞と接尾辞
エスペラントが民族語に比べ桁違いにやさしい理由の一つはその豊かで論理的な造語能力にあります。単語に接頭辞・接尾辞を組み合わせることで語彙を数十倍に活用することができます。
- 例えば,性質を表す-ec-(〜さ・〜性)を用いると,
amiko | amikeco | | egala | egaleco |
友人 | 友情 | | 等しい | 等しさ |
-
正反対を表すmal-を使うと,
amiko | malamiko | | sana | malsana |
友人 | 敵 | | 健康な | 病気の |
rapide | malrapide | | amas | malamas |
早く | ゆっくりと | | 好きである | 嫌いである |
-
弱・小を表す-et-,強・大を表す-eg-を使うと,
kato | kateto | katego |
猫 | 小猫 | 大猫 |
ridas | ridetas | ridegas |
笑う | ほほえむ | 大笑いする |
<参考>3分間でわかるエスペラント講座(沼津エスペラント会)
ネットワーカーに贈るエスペラント語入門・継続講座
「基礎からわかる作文教室」La Movado(関西エスペラント連盟発行)に連載
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