2輪型水田用除草ロボットの開発

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 消費者ニーズの多様化や低農薬指向などの理由から、除草剤を用いない水稲栽培が要望されています。除草剤を用いない除草法としては、歩行型除草機に代表される機械的除草、紙マルチによる物理的除草、アイガモ農法に代表される生物的除草法などがあります。しかし、機械的除草においても作業者が水田で作業を行うので負担軽減が望まれます。アイガモ農法においては、飼育に手間とコストがかかるなどの問題があります。
 そこで本研究室では、稲苗をまたいで水田内をくまなく走行する2車輪型の除草ロボットを開発しています。

球型水田用除草ロボットの開発

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 中山間地域の水田規模は小さいために、農業機械による作業効率も決して高くはありません。また、少子高齢化により耕作放棄地も増えており、このような地域においても農業が継続できるような対策が必要です。その対策としては、機械化による省力化や農産物の高付加価値化があり、米づくりにおいても除草剤を使わない水稲栽培への期待が高まっています。
 そこで本研究室では、中山間地域の水田を対象とし、導入価格を下げるために携帯端末を活用する市販の遠隔操作型の玩具を活用した球型除草ロボットシステムを開発しています。

上肢用パワーアシスト装置の開発

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 農業従事者の高齢化が進むなかで、果樹栽培のように長時間にわたって上向き姿勢で腕を上げての作業は重労働です。例えば、ぶどう栽培における摘粒作業は、手に持ったはさみで行われるため、腕はぶどうの房まで手を持ち上げる動きが主となります。また、ぶどうは棚を用いて栽培されるため、腕を上げる高さもほぼ等しいことから、補助装置の機能を限定することができる。
 そこで本研究室では、軽量化と低コスト化を図るために一つのアクチュエータで摘粒作業を補助する人間装着型の上肢用パワーアシスト装置を開発しています。

下肢用パワーアシスト装置の開発

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 少子高齢化が進行する一方では核家族化などにより、高齢者の一人暮らしが増えています。高齢になると老化により知覚機能や運動機能が低下するために、高齢者の日常生活を妨げる要因となっています。特に下肢機能が低下すると歩行が困難になり転倒する割合も高くなります。下肢機能の低下を防ぐためには股関節、膝関節、足関節を動かす筋力と関節の可動範囲を維持することが重要ですが、転倒による骨折がきっかけで下肢の筋力が著しく低下して寝たきりになる場合もあります。
 そこで本研究室では、歩行時の転倒を防止するために股関節、膝関節、足関節を動かす筋力を補助し、つま先が下がるのを防止する歩行補助機の試作機を開発しました。

搭乗型移動ロボットの開発

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 本研究室では、立位姿勢における下肢の負担を軽減するために、搭乗してぶどう園内を移動する移動ロボットを試作中です。このロボットは、(株)リコー社製の不整地用履帯型移動体を左右に配置し、その間に使用者が搭乗して座位する椅子が配置されている。この移動体のモータは、インホイールモータ方式を採用しているため、モータの配置スペースが不要となり、移動ロボット自体を小型化することができる。なお、筐体はアルミフレームを用いて簡便な構造としている。椅子の右側には操作用のジョイスティック、左側には緊急停止ボタンが配置されている。