竹炭の脱臭性能について調べました。

 実験方法

試料はモウソウ竹と、比較のためにヒノキ、コナラを用いました。それぞれ乾燥させ、10mm角に切断したものを電気炉で炭化させました。炭化温度は岡山県真備町の炭焼き窯での調査結果より、400℃、600℃、800℃としました。

実験には図のような装置を用いました。容器はガラス製で、底部にガスを撹拌するためにスターラーを設置しました。容器内に炭を入れ、フタをしてからガスを注入し、所定の時間に上部のシリコン管からガスを検知管で採取し、ガスの残留濃度を測定しました。また、比較のために市販の活性炭も実験に用いました。

 

 実験装置略図

 

 

実験に用いたガスは、アルカリ性ガスのアンモニア、酸性ガスの酢酸と、中性ガスのトルエンです。酸性ガスには硫化水素を用いる予定でしたが、入手が困難であったため、同じ酸性ガスである酢酸を用いました。硫化水素は卵の腐ったにおいで、三大悪臭のひとつです。

実験ガスの初期濃度は、アンモニア30ppm、酢酸10ppm、トルエン40ppmとしました。

 

 悪臭規制基準について

実験に使用したガスの規制値を悪臭防止法1)より調べました。

 

1 悪臭規制基準値1) 単位ppm

  工業用地や悪臭に順応が見られる地域 その他の地域
アンモニア

25

12

硫化水素

0.060.2

0.020.06

トルエン

3060

1030

 

表2 ガス濃度と快・不快度の関係1)

  濃度(ppm)

快・不快度

アンモニア

1040

-.-.

硫化水素

.

-.-.

トルエン

10〜30

-.-.

 

 表3 快・不快度について1)

   

-

-

-

-

快でも、不快でもない

やや不快

不快

非常に不快

極端に不快

 

 

 アンモニア脱臭実験

アンモニアは三大悪臭のひとつで、トイレなどから発生します。

図より、炭化温度400℃の竹炭の残留濃度が最も低くなり、4時間で1.5ppmと、規制基準値にまで低下しました。炭化温度の上昇とともに残留濃度は高くなり、活性炭では4時間で18.7ppmと最も高くなりました。ヒノキ、コナラの木炭でも同様の結果となり、炭化温度の低い炭ほど高い脱臭性能が得られました。この結果から、アンモニアの脱臭には炭化温度の低い炭が適しており、炭化温度の高い炭や活性炭は400℃に比べ性能が低いことがわかりました。

 

 酢酸脱臭実験

図のように、炭化温度の高い炭や活性炭の残留濃度が低くなり、8時間で1.5ppm以下と、基準値に近い値となりました。一方、炭化温度400℃の炭では残留濃度は高く、アンモニアと逆の結果になりました。木炭でも竹炭と同様の結果となりました。これより、酢酸の脱臭には炭化温度の高い炭や活性炭が適していることがわかりました。

 

 トルエン脱臭実験

    トルエンガスはシックハウス症候群の原因の一つです。建築材料である木材・合板・内装材に使われる接着剤などから発生し、揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれています。

    実験の結果、図のように酢酸と同様、脱臭性能は炭化温度の上昇とともに高くなることがわかりました。また、木炭でも同様の結果となり、活性炭では1時間で残留濃度0ppmと最も高い脱臭性能を示しました。

 

参考文献:1) 悪臭法令研究会編 「三訂版 悪臭防止法」 株式会社 ぎょうせい (1999)

<文責:荒川 鈴木>

 

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最終更新日 : 2003/03/31