数学教養コラム

松田の数学教養コラム

1月29日(金)

数列の漸化式について

例えば,漸化式 ak+2-5ak+1+6ak=0, a1=0,a2=1を解いてみよう。

この解法は線形代数の考え方を利用すれば簡単に解ける。

まず,特性方程式 t2-5t+6=0 をたてる。

この解はt=2,3である。

すると,解は,

an=C1×2n+C2×3nとなるという点が線形代数の教える理論である。

C1,C2は後で決める定数である。

a1=0 だったので,

0=2C1+3C2    ・・・  @

a2=1 だったので,

1=4C1+9C2    ・・・ A

を得る。@,Aより,C1=-1/2,C2=1/3 となる。

よって,解は,

an=-2n-1+3n-1となる。

 

今度は,

漸化式 ak+2-5ak+1+6ak=k-1, a1=0,a2=1を解いてみよう。

この解法は,

まず,ステップ1で,ak+2-5ak+1+6ak=0を解く。

次に,ステップ2で,ak+2-5ak+1+6ak=k-1をみたす特殊解を探す。

最後にステップ3で,ステップ1とステップ2で出した答えを足せばよい。

具体的にいえば,

ステップ1) an=C1×2n+C2×3nとなる。

ステップ2) ここでは未定係数法と呼ばれるやり方で解こう。

つまり,特殊解が漸化式からan=An+B という形と予想できる。

次に,ak=Ak+B,ak+1=A(k+1)+B,ak+2=A(k+2)+B を与式に代入してAとBの具体的な数を求める。

すなわち,

A(k+2)+B-5(A(k+1)+B)+6(Ak+B)=k-1

となり,この式を整理すると,

2Ak+3A+2B=k-1

これより,2A=1,3A+2B=-1となり,

この連立方程式から,A=1/2,B=-5/4をえる。

したがって,特殊解はan=n/2-5/4であることがわかる。

最後に,ステップ3)を説明する。

ステップ1とステップ2から,

 ak+2-5ak+1+6ak=k-1の解は,

an=C1×2n+C2×3n+n/2-5/4 となる(線形代数の理論)。

後は, a1=0,a2=1から連立方程式を立てると,

0=2C1+3C2+1/2-5/4・・  @

1=4C1+9C2+2-5/4    ・・・ A

を得る。@,Aより,C1=1,C2=-5/12 となる。

したがって,ak+2-5ak+1+6ak=k-1, a1=0,a2=1の解は,

an=2n-5×3n/12+n/2-5/4

となる。

問題:フィボナッチ数列Fnは,

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, ・・・・

という数列Fnで,Fn+2=Fn+1+Fn,F1=1,F1=1が成り立つ。

この漸化式を解け。

 

 

112日(火) (学習院大学の飯高先生の話から)

 [1] 複素数について

負の数の平方根とは何かという問いは,古くはアレクサンドリアのヘロンにあるといわれる。その後,16世紀イタリアのカルダノ等の3次方程式の解法の中で負の数の平方根の必要性が扱われた。17世紀になると,ルネ・デカルトにより,虚(imaginary)という言葉が用いられ,虚数と呼ばれるようになる。その後,ヨハン・ベルヌーイやオイラー,ダランベール等により,虚数を用いた解析学や物理学の研究がなされた。このように虚数が認められるには多くの時間がかかっている。

現在は,虚数単位 i を,i2=-1であるものと学校では教える。つまり,i=√-1 のことである。

 しかし,(√-1)2=-1なのに,通常の公式(√a)(√b)=√abを用いると,(√-1)(√-1)=√1=1 となる。

結果として,-1=1 となり矛盾するので,√-1 を考えてはいけないと忌避された歴史があったようである。

 複素数が,エレガントに定義されたのは19世紀になってからで,それはハミルトンによる。ハミルトンは実数の順序対 (a,b) と (c,d) に対して,和と積を次のように定めた。

和 (a,b)+(c,d)=(a+c,b+d)

積  (a,b)・(c,d)=(ac-bd, ad+bc)

このように定めると,実数は (a,0) の形で表わされ,その中で(0,0)が0の役,(1,0)が1の役となる。 そして虚数単位 i は(0,1)となる。

 

[2] 複素整数の偶数と奇数

 複素整数とは,a+biでa,bが整数のものをいう。

「複素整数には,偶数と奇数がないのですか」という質問がある。

答えは,1+i の複素整数倍が複素偶数で,そうでないときが複素奇数となる。

次が成り立つ。

(1) 複素偶数+複素奇数=複素奇数

(2) 複素偶数+複素偶数=複素偶数

(3) 複素奇数+複素奇数=複素奇数

(4) 複素偶数×複素奇数=複素偶数

(5) 複素偶数×複素偶数=複素偶数

(6) 複素奇数×複素奇数=複素奇数

(1)(6)についての証明できますか?

 

 

11月9日(月) 

153のすごさ!

153=1!+2!+3!+4!+5!,

153=13+53+33

3の倍数の3桁の数を1桁ずつに分け,

それぞれ3乗して足し合わせる操作を繰り返すと,

最終的に153に落ち着く。

例えば,468を考えよう。

43+63+83=792

73+93+23=1080

13+03+83+03=513

53+13+33=153

 

 

10月23日(金) No.2

3334

3年前になるが,
Hくん,Tくん,Nくんと私で,
数について遊んでいた。

4×4=16
34×34=1156
334×334=111556
3334×3334=11115556

何か規則的なものを感じるこの表をみて,
Hくんが静かに次のように述べた。

16について 6-2×1=4,
1156について  56-2×11=34,
111556について  556-2×111=334,
11115556について  5556-2×1111=3334

その瞬間,その感動にどうしようもなくて,ただ叫んでいる私がいた。

10月23日(金)

(雑記) 遊びと快感 

遊びで受ける快感は,大きく2種類に別れるような気がする。
1つは,受動的なゲーム機のようなものから得られる遊びの快感で,
もう一つは,能動的に神経を使った遊びの快感。
受動的な快感は五感の多くを刺激するので,簡単に快感が得られる気がする。
能動的な快感は,たとえば読書のようなものから得られるものだろうか。
情報量が少ない代わりに多くのことは,自分の想像力をたくさん使って,
快感が高まるような状態に自分でコントロールする必要がある。
数学を考えるという遊びも,後者に属すると思う。
特に,現在答えがない問題を発見して,それに取り組む遊び(研究と呼んだりするが)は,その快感が大きい様な気がする。
自分で定理を発見すると気が狂いそうになるから。

 

10月13日,火

オイラーが行った計算で,級数に関する結果は,次の通りである。

EULERPR4.JPG - 15,958BYTES

あなたなら,どういう級数の計算をしますか?

 

 

10月8日,木

パスカル三角形は,各数がすぐ上の隣り合う2つの数の和となっている。

                               1

                            1    1

                          1    2    1

                       1    3     3   1

                    1   4     6     4   1

                  1   5   10    10   5   1

この三角形を観察するといろいろな法則が見えてくる。いちばん有名なものが,

(x+1)nの展開の係数がn段目に対応する(最上段を0段とする)。

たとえば,(x+1)2=x2+2x+1で,2段目の1 2 1が出てくる。

(x+1)4=x4+4x3+6x2+4x+1で,4段目の1 4 6 4 1 が出てくる。

 パスカル三角形に似ている分数の三角形がある。それはライプニッツの調和三角形である。

LEIBNIZ.JPG - 6,150BYTES

ライプニッツの調和三角形は,各分数がすぐ下の隣り合う2つの数の和となっている。

実は,どの数もその左下の数から斜めに続く数列の無限和になっている。

たとえば,1/2=1/3+1/12+1/30+…, 

      1/6=1/12+1/30+…, 

      1/3=1/4+1/20+…

である。

 

 

 

9月25日,金

カプレカー(Dattaraya Ramchandra Kaprekar)  はインドの数学者で学校の先生だった。

1, 9, 45, 55, 99, 297, 703, 999, 2223, 2728, 4879, 4950, 5050, 5292,7272,7777,9999, …

これらの数をカプレカー数という。

どれも2乗した数を半分に分割し,それらを足すと元にもどる。

たとえば,92=81 で,8+1=9であり,

452=2025 で,20+25=45 という具合である。

それ以外にも,面白い性質を見つけることができる。

1桁のカプレカー数は1と9だけであるが,これらを足すと10となる。

2桁のカプレカー数45と55は足すと100となる。

3桁のカプレカー数においては,297+703=1000である。

そして,

4桁のカプレカー数においても,2223+7777=2728+7272=4950+5050=10000であるが,

しかし,4879+5292=10171となってしまう。

一応,5桁のカプレカー数のリストは以下である。

17344, 22222, 38962, 77778, 82656, 95121, 99999

 

917日,木

6について

6は最初の完全数として有名である。

完全数とは,自分以外の約数の和が自分と等しくなる数のことをいう。

つまり,6=1+2+3

ところが, 6=1×2×3でもある。

つまり,1+2+3=1×2×3が成り立つ。この関係をもつ数は6以外にない。

さらに,6=√(13+23+33) も成り立つ。

ところで,66の約数を考えると,

1+2+3+6+11+22+33+66=122=(2×6)2

となっている。

では,666とはどういう数だろうか。

 

915日,火

(黄金比)

 (√5+1)/2  (あるいは (√5-1)/2) が黄金比である。黄金比は星型に潜んでおり,星型はピタゴラス学派のシンボルマークであった。ユークリッド原論では,正五角形,正12面体,正20面体を作るのに用いられている。

ギザの大ピラミッドの側面と長さと,底辺の半分の長さが黄金比に近い値である。リンド・パピルスには,この比を「聖なる比」と書かれている。

パルテノン神殿にも黄金比が使われている。

レオナルド・ダヴィンチも黄金比を重要視していたようである。

黄金比は連分数を使って,次のように簡単に表すことができる。

                      (√5+1)/2=1+ 1

                                         ――

                    1+ 1

                                            ――

                        1+ 1

                                               ――

                       1+・・・

 

 

914日,月

1,  1,  2,  3,  5, 8, 13, 21,  34, ・・・・・・・・

を,  フィボナッチ数列という。 フィボナッチ数列は黄金比(√5-1)/2に関係する。すなわち,Fnをn番目のフィボナッチ数とすれば,nを大きくすれば,Fn/Fn+1が黄金比に近づいていくのだ。黄金比とは,星型に現れる比のことである。

STAR.JPG - 14,185BYTES

 
911日,金

え! どうして?

1=12

1+2+1=22

1+2+3+2+1=32

1+2+3+4+3+2+1=42

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

え!! どうして?どうして?

1+2=3

4+5+6=7+8

9+10+11+12=13+14+15

16+17+18+19+20=21+22+23+24

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<コメント> どうして?と思う気持ち。その気持ちを愛してください。それが数学への愛です。

 

910日,木

問題  : 142857はどんな数字?

  

<答え>

142857はくるくる数です。つまり,142857×2=285714,  142857×3=428571,  142857×4=571428, 

142857×5=714285,  142857×6=857142 6回ずれます。そして,142857×7=999999となります。

さて,これ以外の数でこのような数でしょうか。ヒントは,1/7=0.142857142857…にあります。   

 

99日,水

問題  : 1729はどんな数字?

<答え>

実は,この数字には有名なエピソードがあります。

1912年に病気だった数学者ラマヌジャンのもとに,数学者ハーディーが見舞いに行きました。そのとき,ハーディーがラマヌジャンに,

「乗ってきたタクシーのナンバーは1729だったけど,たいして面白くないつまらない数字だったよ。」

ラマヌジャンはすぐに答えた。

「そんなことはないよ。1729は,2通りの2つの3乗数の和で表わされる最小の数です。」

そして,それは,1729=123+13=103+93です。