挨拶

地域共同テクノセンター長 小林敏郎

地域共同テクノセンター長

電気電子システム系 教授 小林敏郎

リーマンショック後の円高,安い労働力を武器とした新興国の台頭などにより,日本経済も苦しい時期が続きましたが,アベノミクス政策による円安誘導,株価上昇など明るい材料も見えてきました。一方,少子高齢化,人口減少による将来の課題は山積する一方であり,航空機,IT,医療機器などの新市場開拓,成長分野への参入,あるいは産業の高次化による「地方創生」が重要となっています。

津山市では,全国の自治体に先駆けて「農林業」,「ものづくり」,「観光」「再生可能エネルギー」の4つの分野を柱とする「津山市成長戦略」を策定するとともに,平成27年4月から「産業支援センター」を立ち上げ,ビジネスの創出による雇用促進,技術者教育による競争力の強化に取り組み,まさしく,「地方創生」を加速しようとしています。その中には,中山間地区での「小規模木質バイオマス発電」や「小水力発電」の導入,アーケードやビル屋上で太陽光発電を進める「ソーラー商店街」,ビルや空調を一元管理する「省エネシステム」,歴史地区での「小型電気自動車の実証実験」など,「おかやまスマートタウン構想」のパイロット地区として進める「津山市スマートシティー化」も含まれています。

ご存知のとおり,津山高専の地域共同テクノセンターの目的は,「教育及び研究機能を地域社会に開放し,教育及び研究の発展に寄与するとともに,地域社会における産業技術の振興及び発展に貢献すること」であると規定されています。したがって,津山高専としては,このような地域の戦略的取り組みを支援するため,シーズの提供,ニーズへの対応(課題解決)と,設備・システムを活用した技術者教育に向けて,従来にも増して産学官金民の連携・融合を強化して行きたいと考えておりますので,宜しくご指導いただけますようお願い申しあげます。

具体的な連携・融合の形として,技術相談,設備利用,共同研究などの方法があり,最近では,3次元プリンター,電子顕微鏡による分析,強度試験などの相談,設備利用が多くなっています。また,共同研究につきましても,平成26年度から「津山市の産学連携補助金」制度がスタートし,既に数件の新製品開発が進められています。平成27年度以降も毎年公募される予定ですので,是非とも有効に活用されて,「地方創生」の一翼を担っていただけることを期待します。

また,津山高専は,昨年度から中国地区にある8つの高専の要となる「産学官連携拠点校」となりました。具体的には,宇部高専や松江高専のシーズを津山圏域の企業に紹介したり,逆に先方のニーズに対応したりするといったシステムの拠点です。これまで,津山圏域の企業の皆様方から技術相談などを頂いても,津山高専単独では,必ずしもご要望に応えられないこともございましたが,今後は,地区内8高専さらには全国51高専が協力し,幅広いサービスがご提供できると考えております。


以上のように,企業の皆様方には,高専の設備,人材,ネットワークを活用して自社の研究開発や教育に役立てていただくと同時に,将来地域を支える学生の教育と,高専の持続的な発展に関してご指導,ご協力頂けますようお願い申し上げます。