1)走査型電子顕微鏡(SEM)観察用試料の調整法
SEM像は電子ビ−ムを試料にあてて、試料から出てくる電子線(2次電子線)で像をつくります。
そして鏡体内部の試料室は高真空に保たれており、汚れ(コンタミ)には特に注意する必要があります。
このため、試料の種類や目 的に応じて次のような処理が必要です。
┌─―――― 試料洗浄 ――――─┐
↓ ↓
導電性試料 非導電性試料
↓ ↓
試料台への取付け 試料台への取付け
↓ ↓
試料観察 蒸着、スパッタリング
↓
試料観察
○試料洗浄
脱脂(アセトン等)
超音波洗浄
ブロア−
○導電性試料
洗浄後、試料台に取り付ける
○非導電性試料
導電状態にする
観察のみ → カ−ボン蒸着
イオンスパッタリング(Pt)
観察+分析 → カ−ボン蒸着
○試料台への取付け
種類
試料台(アルミ製、15φ、20φ、25φ)
試料ホルダ−(アルミ製、13φ、17φ、31φ)
接着剤
銀ペ−スト → 試料台への取付け
包埋樹脂に埋め込んだ試料を試料ホルダ−に取り付ける
導電性両面テ−プ → 試料台への取付け
2)SEM写真の撮影法
○種 類
CRT上の画像の撮影法には次の3種類があります。目的に合わせて使用して下さい。
・ロ−ルフィルム(ネオパンSS、120タイプ、6×7cm)用カメラ
一般的な写真撮影はロ−ルフィルムをさす。
保存、焼き増し、引き延ばし等ができる。
現像、焼き付け等の操作が必要である。
画質は良い。
・ポラロイドフィルム(タイプ53、9×12cm)用カメラ
現像、焼き付け等の操作がいらず、簡単にできる。
フィルムの保存、焼き増し等が困難である。
フィルムの値段が高価である。
画質は良い。
・ビジュアルプリンタ(EP-1000A、10×11)
一時的な撮影法である。
プリント用紙代も安く、早くできる。
画質はややおちる。
○撮影法
・カメラの場合
@視野、倍率を選択し、ピントを合わせる。
ASCANNING SPEED を1にする。
BCONTRAST、BRIGHTNESS つまみをまわし、各メ−タの指示を中心付近に合わせる。
CPHOTO スイッチを押す。
撮影中は PHOTOスイッチ の赤ランプが点灯している。
撮影が終了するとブザ−が鳴り、自動的に観察モ−ドに戻る。
・ビジュアルプリンタの場合
@視野、倍率を選択し、ピントを合わせる。
ASCANNING SPEED を1にする。
BCONTRAST、BRIGHTNESS つまみをまわし、各メ−タの指示を中心付近に合わせる。
CPOWER スイッチを入れ、PRINT を押す。
撮影中は WORKING TIME の表示ランプが消灯していき、すべて消えると撮影は終了する。
○注 意
・Bの CONTRAST、BRIGHTNESS の調整は標準的なもので、フィルムの種類、試料の状態、視野の
分布等によって補正が必要である。
・同一視野で撮影と分析を行う場合は、先に撮影を行う。
3)X線マイクロアナライザ−(EPMA)による定性、定量分析
試料から発生するX線を検出して分析を行なうには、次の2種類の方法がある。
@波長分散型X線分析法
Aエネルギ−分散型X線分析法
本校では、 Aのエネルギ−分散型X線装置を使用している。
主な特徴として
・試料表面に存在する元素(11Na以上)を、ミクロンオ−ダで分析できる。
・試料を破壊しなくても分析できる。
・通常、試料の前処理がほとんどいらない。
・分析が迅速にできる。
・経験のない人でも、信頼できるデ−タが得られる。
などがあげられる。
そして基本的には標準試料のデ−タと未知試料のデ−タを比較して分析を行なうので、次にあげる
測定条件を一定にする必要がある。
・Vacc 電子顕微鏡の加速電圧 → 20[KV]
・Ip 〃 のプロ−ブ電流 → 5×10−10[A]
・WD 〃 のワ-キングディスタンス → 15[o]
・Tilt 〃 の試料傾斜角 → 0[・]
・D EMAX検出器とビ−ムの距離 → 固 定
◇分析法の種類
@点分析
試料の極微少部分の分析で定性分析しかできない。
スポット分析ともいう。
A線分析
試料面上の指定したラスタ−(ライン)に沿った特定の元素濃度をX線計数率で表す。
X線計数率は近似的に元素濃度となるので、おおまかな定量分析もできる。
B面分析
試料面上の特定の元素分布を示したもので、一般的にいう定量分析は面分析を指す。
4)定量データの採取(SEM本体の操作)
◇定量分析位置(設定済み)
─┐ ┌─
W・D =15o│ この場合 │電子ビーム入射角 90°
TILT = 0・│ │Χ線取り出し角 38°
─┘ └─
(1)AGING(電流を流した状態で2時間以上)し、安定させる。
(2)プローブカレント(Ip)を設定値(Vac=20Kvで5×10−10A)に合わせる。
1.最低倍率にしてファラディカップを挿入し、中心に合わせる。
2.10,000倍にして[SPOT MODE]にする。
この状態で(Ip)を測定*する。
3.(Ip)測定終了後、ファラディカップを抜く。
(3)試料を測定倍率に合わせて EDX POSIT を押し、Z軸微動装置にてピントを合わせる。
この時、FOCUS FINE は中間(10回転のうち5回転)に設定しておく。
(4)SCANNING MODEを[AAF]にし、POSITION X・Yにてマスクの位置、大きさを設定する。
(5)計数時間を PRE MODE にて、[LIVE TIME]200SECに設定する。
(6)SCANNING MODEを[SAA]にし、DATA STORE を実行する。
(7)測定終了後、ファラディカップを挿入して(Ip)を測定する。
設定値がずれている場合は、最初からやりなおす。
(8)ZAF CORECTION(PROGM E)にて定量計算を行なう。
※プローブカレント(Ip)測定法(μμAメ−タ−の操作法)
1.RANGE を1×10−9 にする。
2.MODE を OFF から ZERO にする。
3.BATTERY CHECK を押し、指針がグリーン内にあることを確認する。
4.POLARITYスイッチを+にし、指針→0を確認する。
5.MODE を MEAS にし、POLARITYスイッチを−にする。
6.指針を注視しながら、コンデンサーレンズ調整つまみで設定値に合わせる。
7.測定終了後、RANGEを1×10−9 に戻し、POLARITY→N、 MODE→OFF
にする。